補聴器フォーラム福岡2024
「難聴者が補聴器を満足して使用するには」
科学技術の発展に伴い補聴器の基本性能は大いに進化しています。ところが、日本での補聴器購入者の満足度が欧米と比べて随分低いというデータがあります(JapanTrak 2022)。実際、補聴器を購入したけれども満足できないと、試聴を中断される方や病院に来院される方は尽きません。これは、メガネと異なり、補聴器は装用した瞬間に聞こえるようにはならないからです。
補聴器を使って声や音を聞くためには、補聴器側の適切な調整と、脳のリハビリが必要です。これには効率を上げても1〜2か月を必要とすること、高齢者になると3ヶ月を超えることも多くなります。補聴器調整に必要な数ヶ月間を「難聴状態からのリハビリ期間」と呼んでいます。一般的に、聞こえづらい状態を長く放置すればするほど、高齢になればなるほど調整に難渋します。
適切な調整のためには「補聴器を着けた状態での検査 (測定)」が必要ですが、日本ではあまり行われていない実情があります。「補聴器適合検査」として一部の医療機関で行っています。補聴器の調整や検査は、認定補聴器技能者・言語聴覚士・補聴器相談医・補聴器適合判定医が協力して行っています。お近くの補聴器相談医が在籍する医療機関や認定補聴器専門店でお尋ねください。
ことばによるコミュニケーションには言語、聴覚、発声・発音、認知などの各機能が関係していますが、病気や交通事故、発達上の問題などでこのような機能が損なわれることがあります。言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。また、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。
専門的な知識と技能を持ち、補聴器の相談や調整などを行う専門家です。 どんな高価な補聴器でも、適切に調整(フィッティング)されていなければ本来の性能を発揮できません。認定補聴器技能者は公益財団法人テクノエイド協会からその知識と技能を認定された補聴器の専門家で、聴力障害と補聴器を熟知した補聴器相談医と連携を取っています。補聴器の購入を検討する際は認定補聴器技能者に相談しましょう。
認定補聴器店、認定補聴器技能者のいる販売店の検索は日本補聴器販売店協会のホームページから出来ます。